太く短く? 細く長く?
皆さまこんにちは。東京の桜はもう終わってしまいましたが、皆さまのご当地ではいかがですか? 各地、気温変動が大きい春のようですが、ゆっくり春をお楽しみでしょうか?
このところあちこちで地震が起き、各地の震度が発表されるたびに、ご来院患者さまの見覚えのある地名が見つかってしまい心配になります。古く(少しも古くない)は阪神淡路大震災、さらに東日本大震災のときは被災者さまや回りに犠牲者さまをお持ちの方々から、色々なお話を伺いましたことから、なおさら気になります。
ウクライナでは、何の罪もないたくさんの犠牲者さまや、残されたご家族さまや友人さまたちのお姿をニュースで見ると、心が痛くなります。
平和な空の下で満足に食べることができるのはありがたくたいへん貴重なことであります。
さて、私池野が診療活動を始めた当初の「板橋区成増」そこでの年数と、ご来院者さま利便性ゆえ移転した「中央区銀座」そこでの年数が、ほぼ同じになり、よく思い出すようになりました。中央区も良いけど、つくづく成増は楽しくて良かったなあ……
本当に小さく微力な診療所だったにも関わらず、成増の皆さまにはすんなり受け入れていただけありがたいことこの上なく、しかも純粋な地域医療でしたので、それぞれご来院者さまとの距離感が近く、診療でお顔を合わせるのが楽しくてしかたなかったです。
アトピーや湿疹で軟膏処置の必要な方がお風呂上りのパジャマ姿でお越しいただいたり、お料理で手を切った方が縫合のためにエプロンのままいらっしゃったり、初対面は赤ちゃんだったのにあっという間にJK制服になっていたり…皮膚が良くなると皆さまとても喜んでくださるので、ちゃんと料金をいただいているのに、ちょっと申し訳なくなることも日常でございました。
そこから幾星霜(何年か)、今銀座でも、当時と同じ成増の方々が、パジャマでお越しだった方が今はスーツで、エプロンでお越しだった方はお嬢さまやご子息さまと、JKさんはお母さまになっていたり、ご家族さまのケアをされていたり、社会でご活躍……久しぶりに再会できるのは、それはそれは幸せなことであります。そして皆さまに頭がさがります。
当時はノンストップで診療しても何時間もお待ち時間がありましたから「よくよく待っていただいたものだ」と敬意の深さが増しています。コロナ禍を経て今は「完全予約制」に移行いたしました。平日正午~7:00にお電話いただけましたら、PC検索で30年ぶりでもごく当たり前に診療させていただいております。もちろん銀座にて初診でお越しだった方々も10年、15年ぶりでもご予約いただけましたら、ご遠方の皆さまもFaceTimeを利用、リモート診療をすれば上記と全く同じ、気分は大歓迎で診察させていただきます。
この半年位の間にフィンセント・ファン・ゴッホの絵画を見る機会を得て何度も通いました。ゴッホは天から稀有な才能を与えられ、その人生は短くもとても太かった。凡人の私は細くとも長く、身の丈で皮膚を通して皆さまを応援できたら、これ以上の希望はありません。